佐藤薫子のマナーコラム



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Kaoruko SATO
国際マナー研究家
プロトコールジャパン㈱創始者

  • 1984年マナーズ&コミュニケーション設立。サロンを主宰するとともに官公庁・企業・学校において
  • 講演、企画提案、コンサルタントにあたる。アメリカ在住時も駐在日本人へのプロトコール指導、
  • NY読売新聞でコラムを連載する。
  • 帰国後は現顧問でプロトコールの第一人者リヒターの思いを忠実に日本で広めるべく活動を続ける。
  • 80年代から日本でプロトコールを伝え続けている草分け。2017年までプロトコールジャパン(株)代表。
  • 著書に2001年『Manners Book(インターナショナル エチケット&おもてなしのテーブル)』
  • (2004年第2版)。2007年『テーブルコーディネート&おもてなし事典(プロトコール流)』
  • 2013年『はじめての国際社交学プロトコール流』がある。






佐藤薫子の暮らしに生かす
目からウロコマナー編」

第1回  マナーはコミュニケーション手段

日本は深く長い文化と歴史の国です。しかし、「顔の見えない日本人」とか、「日本の常識は、海外の非常識」などと、なんと、国際的評価に乏しいことでしょう。思うに、私たち日本人は、真の姿を正しく発信する努力と知識に欠けていたに違いありません。

70年代のニューヨ-クをスタートに、何度かの海外生活の中で、内外から見た「愛する母国」と欧米との比較が、私の価値観の一部になっています。一般的な日本人と欧米人の、マナーや価値観などを天秤にかけ、身近なテーマで誌面から「しきたり」と「マナー」の違いや、国際交流に必要なプロトコール・エチケットのコラムをお届けいたします。どうぞ、ご感想など、お寄せ頂ければ幸せです。

マナーに振り回されないために

幕末のペリーの黒船来航の驚異や、坂本龍馬の活躍等は本やテレビドラマでおなじみですが、当時は外国人との交渉が多く、西洋式のマナーの知識が必要になりました。それまでの徳川幕府の「家」を中心とした忠節の礼儀との間に、考え方の差が生じるのは、当然な成り行きでしょう。国際化が進む今日でも、このコミュニケーションギャップの解決には至らないのが現状です。個人的なお付き合いでも同じで、マナーに悩んでいる方を多く見かけます。日本の作法と西洋のマナーは成り立ちから異なり、それを混同して、すべてマナーと捉えていませんか。マナーをコミュニケーションの手段として考えてみたいと思います。

マナーの語意は、ラテン語のmunus(手)=お手並み拝見、という語源から派生しています。個人の良識に大方の判断を任せられる部分があり、「あの人はマナーが良いか悪いか」を個人レベルで判断できる礼儀です。
 マナーは、人と人とがお付き合いをする際に欠かせない、<①思いやりの気持ち、②人に迷惑をかけない、③好感を与える>が基本です。
交際上の不要のトラブルを防ぐために作られた常識としてのマナーは、人を尊敬することから、始まります。

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目から鱗の語源 

新訳聖書中、キリストの奇跡で、目の不自由な人が、視力を取り戻したとの伝聞から「迷いから覚める」との意味で使われる。

第2回「握手とお辞儀」LinkIcon